今なぜ鶏ちゃん焼なのか

鶏肉とキャベツだけの鶏ちゃん焼が注目されるようになったのにはそれなりの理由がある。常に新しいものを追い求めてきた料理のトレンドは原点に立ち返り「郷土料理」をもう一度見つめなおし始めた。それは、徐々に高齢化を迎えた世代の「ヘルシー志向」の高まりがあげられる。また、こうした世代の本物志向が高まる中での「料理の専門性」を求める時代のニーズに鶏ちゃん焼は合致しているからではないだろうか。

郷土料理:

鶏ちゃん焼は、奥美濃・南飛騨地方で最も馴染み深い食材で構成されており、食べ飽きることが少ない。また、なんといってもリーゾナブルであり、この気取らない自由な雰囲気は都市部のサラリーマンや学生にも受け入れられやすい。お店のファサードや店内は、トタン屋根や廃材を利用して初めてでも来店しやすいレトロな環境になっているところも多く、新規客を獲得しやすい。この郷土料理という特殊性がお店の古くて新しいというコンセプトとぴったりマッチしているのであろう。もちろん、「飛騨」というブランドからイメージされる民芸調がこのコンセプトに合致するのはいうまでもない。

ヘルシー志向:

コラーゲンの多い鶏肉料理と新鮮な季節の野菜との組み合わせは、低カロリー高蛋白で美味しい食事を求める時代のニーズとヘルシー志向の強い女性や高齢者にも数多くのアピールポイントがある。これからの時代は、衣食住全てにわたってヘルシー志向の欠如している商品は売れない。

料理の専門性:

殆どの場合、鶏ちゃん屋といってもお店に鶏ちゃん焼だけしかメニューが無いわけではない。日本ではすでに、鶏ちゃん焼を主体とした鶏料理全般のお店が成り立つマーケットが存在している。鶏料理自体がもともとポピュラーな存在であるので、お店の努力次第で専門性を高めることは可能なのである。